株式会社蛭子丸様(愛媛県)
補助金申請のきっかけ
株式会社蛭子丸様は、愛媛県今治市宮窪で代々漁師を営む漁師の一家であり、漁で採れた魚の一級品を全国の高級飲食店に向けて卸売し、残りを市場に出荷しています。現代表のご子息で4代目となる藤本純一様は近隣漁場の水産資源の枯渇を実感していたため、漁業のみならず水揚げの中から一級品の見極めと鮮度保持技術を追求し、高単価で販売できる高級飲食店向け卸売直販に取り組んできました。しかし新型コロナ感染症による飲食店需要の低迷により、飲食店向け卸売直販の売上が大きく減少、また水産資源の枯渇を受け、仕入れルート開拓などを模索する中、当社の近隣消費地である松山市内の顧客に松山市内にある老舗飲食スーパー「奥村ストアー」を紹介され、協業して小売販売に取り組むことになりました。
同店は松山市公設水産地方卸売市場で長年仕入れを行っており、当社が必要とする市場の「せり」への参加権を持っているため同店から仕入れルートを引継ぎ、飲食スーパー内に出店を行うことになりました。奥村ストアー様は現在、事業再構築計画の元、店舗の改築/事業承継/地域の魅力ある産品の開発・販路拡大に取り組んでおり、当社もこの協業による小売販売への転換に、補助金活用を検討するに至りました。
補助事業の概要と補助金の使い道
本事業では、松山市内にある飲食スーパー「奥村ストアー」との連携により、同店の「せり」での仕入れ権を引継ぎ、改築中の同店の水産作業場/総菜作業場/氷感庫/店舗什器設備を当社の投資として共同で進めます。これにより奥村ストアー様単体では困難であった「大規模な氷感庫投資による生鮮食品全般の付加価値向上」「同店が得意とするプレミアム青果物・精肉店に加え、当社カリスマ漁師によるプレミアム鮮魚のワンストップでの提供」が可能となります。
当社にとって、課題であった仕入れルートの獲得と、純一様の「カリスマ漁師」としてのノウハウ・ブランドを活用した小売直販での売上・利益の向上、店舗運営を通した人材育成・卸売直販の販路拡大が実現できます。
4代目:藤本純一 様
奥村ストアーの代表から、すごい方がいるとYKフューチャーコンサルティングの河村さんの紹介を受け、最初は正直なところ漁業とは縁遠そうな東京の経営コンサルタントに当社の想いや事業を理解してもらえるか半信半疑でしたが、少しお話をしてこの方なら大丈夫と直ぐに確信に変わりました。河村さんから当社の成り行きや私の鮮魚にかけるこだわりや事業に対する想いをよく理解して頂き、当社の置かれた状況を分析されると、改めて自分の事業に自信を持つことができました。今回の補助金の申請書は、単に綺麗な数字や文言を並べた申請書ではなく、私とYKフューチャーコンサルティングの想いが詰まった活きた申請書を一緒に作ることができたと思っています。